本切羽

本切羽

こんにちは。

赤坂店の鳥海です。

今回はスーツのオプションについて説明いたします。

なぜこんなオプションがあるんだろう?

と、思った方もいらっしゃると思うので諸説ありますがご覧いただければ幸いです。

 

 

スーツやジャケットの袖口ボタン自体の起源はナポレオン軍の制服にあると言われています。

ナポレオン率いる軍の兵隊がロシア侵攻の際に、あまりの寒さに袖口で鼻水をぬぐっていたことをナポレオンがこれを嫌い

その仕草をやめさせるために袖口にボタンをつけたというような説があります。

本切羽は「surgeon’s cuffs」という名からもわかる通り、外科医が手術や診療の際に腕まくりをしやすくするためのディテールとして誕生したと言われています。

 

実は本切羽はスーツが誕生した当時には存在しなかったディテール。

また現在でも英国スーツは本切羽ではなく開き見せ仕様も多いんです。

イギリス高級スーツの代名詞とも言えるサヴィルロウのビスポークスーツ (オーダースーツ)であっても特に指定しなければジャケットの袖口は本切羽ではなくボタンが閉じた状態の開き見せで仕上げるのがスタンダードだといいます。

 

「腕に自信を持ったイタリアはナポリの職人テーラーが自身の腕前を示すために」もしくは

「ライバルであるイギリススーツとの差別化戦略のために」本切羽をアピールしたことから

イタリアの特にナポリびいきの男性の間では「本切羽=職人技術の証」「本切羽=高級スーツの証」という風潮が浸透、日本国内においてはイタリアのスーツスタイルの人気が高いので一般にも広がったというわけです。

 

本切羽は今や格安スーツにも備わることの多いディテールですので「本切羽だから偉い!」というのは本質を見誤ってしまうかもしれません。

クラシックなジャケットの袖口ボタンの数は4つと言われていますが、4つのうち袖口から近い3つのボタンのみが開閉できる仕様が最もスタンダードです。実はこれ、イタリアにおける上質なジャケットを子供に引き継ぐという風習に対応したディテール。

子供が成長して自分よりも腕が長くなった場合に袖口を出した上で、袖口から最も遠い第4ボタンを取り外して第1ボタンとして装着しボタンホールを開ける際に都合が良いわけです。

 

本切羽の第一のメリットは、ボタンを1つか2つ開けることで「袖口に抜け感を演出できる」という点です。

あえて袖口にスキを作ってこなれ感を出すというスーツ着こなしにおける上級テクニックですね。

本切羽自体がどちらかと言えば南イタリアにおいて好かれるディテールなのでイタリアっぽさをさりげなく出したいという方におすすめです。本質的ではありませんが「本切羽=高級スーツ」と思いこんでいる人に向けて威張りが効くことも多少はメリットになるかもしれません。

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