ビッグヴィジョン春日井店のブログにようこそ!
鈴木です。
皆様「ウール」と聞いてどの季節を思い浮かべるでしょうか。
一般的に印象が強いのは冬かと思いますが、素材としては年中適してると言えるほどユーティリティーなものです。
初めてご注文いただく方から
「生地は夏でもウールなの?」
と質問をいただくことがありますが、基本的に当店で扱っているスーツ生地に関してはシーズン問わずほとんどウール混、もしくはウール100%です。
寒くてもウール。暑くてもウール。
ウールは「繊維の王様」や、「天然のエアコン」と呼ばれるほど、様々な点に優れているんです。
そんなウールの特性、魅力を今回はお伝えしていきます!
まず、ウールの繊維をよく観察すると縮れているのがわかります。
これは“クリンプ”と呼ばれ、ウールの特徴を構成する大切な要素の一つです。
縮れていることで空気を含みやすく、断熱性に優れます。
そのため冬に着るニット等に、保温の目的で用いられることが多いのです。
また、クリンプのおかげで弾力性、弾力回復性に富みます。
多少のナチュラルストレッチもあり、一般的にはポリ混よりもウール100%の方が着心地は良くなります。
そして、シワは汗などの濡れた状態に入りやすいものですが、ウールは天然繊維の中ではシワになりづらく、入ってしまったシワも伸びやすいのがポイント。
更にもう一つ構造として、ウールの繊維はスケールと呼ばれるうろこのようなもので覆われています。
イメージとしては髪の毛のキューティクルに近いかと。
このスケールの表面では、水滴は弾きつつも水蒸気は吸収するという、一見矛盾したはたらきが行われています。
性能は異なりますが、言わばゴアテックスのような機能ですよね。
水滴を弾くということは、汚れにくいということ。
また、一定の水分を含みやすいことで静電気が起こりづらく、埃の付きにくさにも繋がります。
さらに下の画像のように、スケールは湿度が低いときには閉じたままですが、湿度が高いときには開いて湿気を吸収してくれます。
(あまりにも絵が下手なのはご勘弁を…)
汗をかいてもさらっとドライな状態を保ちやすいのです。
このはたらきのおかげで、湿度の高い日本の夏にもってこいというわけですね!
また湿気を放出するということは、気化熱で回りの熱を奪い取るので涼しく感じられる、とも言えますね!
冬は保温であたたかく、夏はドライ機能で涼しく。
これが天然のエアコンと言われる所以です。
そしてこれまた夏に嬉しいのが、消臭機能に優れる点です。
皆様汗臭いものといえば、スーツよりもワイシャツやTシャツの方がイメージがしやすいのではないでしょうか?
吸着機能に優れ、酸性、アルカリ性の両方の臭いを吸ってくれるので、夏場でも比較的臭いにくいのです。
あと最後にウールは燃えにくいという特性があります。
たばこをよく吸われる方で、生地に吸い殻が落ちて穴が開いちゃた…なんて可能性は低くなるはずです!
いかがでしょう。
ここまで見れば、ウールは春夏にも着れる、むしろ春夏にこそ着たい素材だと思いませんか?
ポリエステルと比べれば耐久性が劣るのは事実ですが、
ウールは適切なゆとり、着こなし、ケアを行うことで長く快適に着られます。
次回のスーツ選びに参考にしてみてはいかがでしょうか?
以上、鈴木でした!
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