ゴールデンウイークも間近、良い気候になりましたが、皆様いかがお過ごしですか?
5月に入れば、汗ばむ陽気も増えてまいります。
そう!
これからのシーズンは、ビジネスマンにとって受難の季節でもあります。
 
夏場は上着を手荷物ことが多い ⇒ 意外と重いなぁ・・・   ⇒ 何とか軽く着れないものか?
やむなく上着を着ると・・・  ⇒ 蒸れて、汗臭いなぁ・・・ ⇒ 何とか涼しく着れないか?
汗をかくから汚れれるなぁ   ⇒ クリーニング代も馬鹿にならない ⇒ 安く出来ないかな?
 
こんな悩みを持っておられる方も多いと思います。

 

夏ご着用されるオフィス スタイルを検討しておられて「ウォッシャブルスーツも、スタイリッシュになってきたので興味はあありますが、本当にうまく洗えるかな?」と少し不安・心配されている方も多いと思います。
 
そこで、今回は『ウォッシャブルスーツのメンテナンス』と題し、実際に洗濯、アイロンをしながらメンテナンスの方法をご紹介いたします。是非、参考にしていただき、夏のビジネスシーンを快適・好印象・スタイリッシュに乗り切ってください。
 
オーダーされるときの参考にしていただければ幸いです。
 

 

■実際に洗って試してみました。
ご家庭の洗濯機で水洗いする際の参考になりますから是非ご覧下さい。
 
□ 洗濯編 □
 
1.ウオッシャブルだからといっても全自動洗濯機でじゃばじゃば洗うのはNGです。
先述のようにウオッシャブルといっても基本はウールが50%近く入っている物ですからそれなりに丁寧に扱わないと、後々型くずれしてしまいます。



 
洗濯のポイントは・・・
・綺麗に畳んでネットに入れて洗濯
・手洗いモードで洗濯
※ネットがなければタライで静かに押し洗いでもかなり汚れは落ちます。
・水温は30度以下位
※温度が高いと皮脂汚れ等タンパク質汚れが凝固します。
 

 
脱水のポイントは・・・
・ネットに入れて比較的軽め(短時間1~2分)で。
※強くやりすぎるとシワが付きやすくなります。

 

□ 乾 燥 編 □
 
洗濯が終わったら次は乾燥です。えっ?乾燥?乾燥機にかければ・・・というのは絶対NGです!
乾燥のポイントは・・・
・肩幅のあるハンガーに掛けて
・陰干し(天気の良い日に半日かけて干すぐらいのイメージで。)
 

 
乾燥の時、便利なのは肩幅のあるハンガー。
我々オーダー店では商品配送の際に型くずれしないよう肩幅のあるハンガーを使いますが、これが肩幅にぴったりあって一番便利。(木製のハンガーは色落ちしないかご注意下さい。)

ハンガーに掛けてたら次は風通しの良いところで半日陰干しです。
スーツは生地や裏地だけではありません
芯地に、胸のボリュームを増す増し芯、肩パッドなど結構水分を吸う副資材を使っています。
ウオッシャブルスーツでは画像のように、裏地がメッシュだったり、芯地・肩パッドも水はけの良い物を使用しますが、それでも丸一日陰干ししてスッキリしてからの方が良い仕上がりになります。
 

□ アイロン編 □
 
洗濯が終わり、乾燥が終わったら、最後の仕上げアイロンです。
実のところご家庭ではこれが一番難しく思われがちなところです。
ですが、ご安心下さい。やってはダメなことだけキチンと守ればそれ程難しいことではありません。ではまず、絶対やっちゃいけないところから説明しますね。。。
 
NGその1:
温度は中温以下。アイロンを長く当てすぎないこと
当たり前ですが、一箇所に長く当てますと熱で生地が焦げますし、テカリの原因にもなります。
 
NGその2:直接アイロンしてはダメ(必ず当て布を)
失敗するとしたら実はココかも知れません。
誰も教えてくれないことですが、化学繊維系の素材は熱でテカってしまいますから、必ず当て布はして下さい。
当て布は手ぬぐいでも古い布巾でも薄手の物で大丈夫です。
 
続いて、具体的にどうするかをご紹介します。

 

■具体的なアイロン方法
 

<< まず、はじめに・・・ >>
はじめに、まず皆さんに安心して貰いたいと思います。それは、このスーツがウォッシャブル素材で出来ているということ。
当たり前ですが、これが大きな威力を発揮します。
まずは、水洗い直後のスーツをご覧下さい。
どうでしょうか?
通常のスーツと比べればシワは少ないですが、それでも結構縦にシワが入っていますよね
(シワの入り方は洗濯ネットの畳み皺などが多く、ケースバイケースです。)
 

 
え゛!これをアイロン?!大丈夫かな?
ちょっと怖くなってしまう画像です。
 
<< 乾燥後は・・・ >>
しかし、、、半日陰干しをすると、アレっ?シワが明らかに減っている?!
 

 
そうです。ウールは自然に伸びる素材特性がありますから黙っていても乾燥することである程度のシワが消えてしまうのです。ポリエステル素材が入ることでシワそのものを抑え、乾燥するときにはウールの素材特性でシワが伸びる。だから乾燥後のシワはある程度しか出てこないのです。

これがウォッシャブル素材の特徴と言っても過言ではありません。

これならこの先のプレスも大丈夫そうですよね???

 

<< まずはパンツから・・・ >>
それではいざアイロン掛けに挑戦。
まずは、パンツです。
パンツは2つ織りになっていますから比較的やりやすいと思います。
折り目が消えにくくなるシロセット加工などをしていると楽に出来ますが、基本的にはセンタープレスに合わせてプレス。
これぐらいなら誰でも出来ますよね?
 

 
ちょっと面倒なのは腰回り。
我々プロは立体的なアイロン台がありますが、ご家庭にはそんな物はありません。
そんな時はボロタオルなどを中に詰めて少し立体感を持たせてプレス

ベルト周りや正面などは結構目立ちますから少しだけ丁寧に。
 

 
はい。これで完成です。(生地にもよりますが、今回は約2、3分でここまで出来ました。)

 

<< 手強そうな?!上着は・・・ >>
ご家庭の方から見ると手強そうに見えてしまうのはやはり上着でしょう。
私でも大丈夫かしら?という奥様の声や、アイロンになれていない独身男性諸氏の声が聞こえてきそうです。

でも、安心してください。誰でも出来ますから。

やり方は色々ありますが、私はこんなやり方をしました。(一応プロとしての手順ですが、、、)

まずは袖から
袖は、筒状ですからそのままですとアイロンが難しいです。
でも、これもタオルを筒状にして中に詰めて、軽くアイロンすればこれでOKです。
 

 
次は、胴回り1周です。
まずは襟を伸ばし、前身頃から。
ここは万が一があると目立つ場所ですからやはり当て布はしておいた方が良いでしょうね、、、
ダメな方は軽くだけにしておいた方が無難です。
 

 
襟周りは、伸ばしてプレスすると元々のプレスが残っていますからフワッと襟が立ち上がると思います。
この辺、ビッグヴィジョンでは芯地も良い物を使っていますから襟周りは綺麗になると思います。

背中は、比較的平面的ですからそのまま当て布をして軽くプレス。
シワも乾燥によってかなり取れていますから気になるところにスチームを当ててやればOKです。
 

 
難しそうな肩は。。。
ちょっと難しそうなのが立体的に出来ている肩の部分。
ここは大きめのバスタオルを丸めて内側に入れて、プレス
初めからそんなにシワになっていませんでしたから、軽く形を整えるだけで十分です。
 

 
乾燥でシワがある程度取れるというのはその後のアイロンが劇的に楽になりますね。
こんな感じでズボンで3分、上着で5分程度あれば十分綺麗な状態になりますヨ。
 

 
いかがでしょうか? スーツは一般的にはドライクリーニングに出されますが、ドライクリーニングでは石油系の溶剤を使うため油性汚れには強いですが、水溶性の汚れは落ちにくいものです。ご家庭の洗濯機で洗えればドライで落ちにくい汗や食べ残しなどの水溶性汚れが落ちますから結構重宝します。
また、いちいちクリーニング店に持って行かなくても良い訳ですからその手間も省けますしね。是非、ウォッシャブルスーツをお試しください。